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再構成可能なアクセラレータを搭載した効率的なエッジAIチップ

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ニコライ・ネズ

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DNA IPとMERAの強力なコンビネーションで、ユーザーがAIアプリケーションを効率的に動かすためのハードウエア固有の特別な知識習得の必要性を減らすことができます。

AI推論の話題の多くは、できるだけ早く多くの処理を提供することに焦点が当てられています。データセンターのように実質的に無制限の電力と冷却を備えた施設では、GPUベースの大きなシステムを実装することが可能です。しかし、データセンター以外の場所(広義では「エッジ」)にある組み込みシステムの制約が加わると、サイズ、重量、電力、利用率を考慮してスケーリングされた、より効率的なエッジAIチップが不可欠となります。EdgeCortix Dynamic Neural Accelerator (DNA) プロセッサアーキテクチャは、カスタムASICやFPGAベースの多くのアプリケーションで、AI推論の高速化ソリューションを提供します。

密接にかかわる効率性とランタイム再構成性

AIワークロードの多くは、膨大な数の乗算演算を必要とし、主にTOPSで測定されます。数個のコアしかないCPUアーキテクチャから、多数のコアを持つ並列処理アーキテクチャに移行すると、通常、AIモデルの実行が高速化されます。多くのAIアプリケーションでGPUベースの実装が定着したのはそのためです。しかし、モデルが複雑化するにつれて、GPUを含むAI推論ハードウェアの過剰に設計された並列性は、ほとんどのAI推論モデルの利用率を低下させ、スペースとエネルギーを浪費させる結果となりました。

AI推論に特化したプロセッサコアを最適化することは、効率を向上させるための論理的なステップです。特定のAI推論モデルや類似モデルの類を実行する最適化されたエッジAIチップを設計することは可能です。しかし、並列度はAIモデルによって異なるため、設計者は、モデルが変わるとハードコーディングされた最適化が上手く回らなくなることにすぐに気づきます。

EdgeCortixのDNAプロセッサ・アーキテクチャは、自社のエッジAIチップ「SAKURA-Iのバックボーンとなり、ライセンス可能なIPとしても提供されていますが、それとは異なります。ソフトウェアとハードウェアの協調設計により効率面での課題を解決し、様々な種類のハードウェア並列処理とソフトウェアコンパイルを組み合わせて、実行ユニット、メモリアクセス、データパスをワークロードに合わせて動的に再構成します。今回は、ランタイムで再構成を実現する上で、MERAコンパイラ DNA IPとどのように連携しているかを詳しく紹介します。

 

エッジアプリケーションにとって、より多くの基準を満たすスケーラブルでシリコン実証済みのIP

性能は、再構成可能性がもたらすもう1つの基準となりますが、それだけではありません。アプリケーションによっては、同じスペースにより多くのTOPSを詰め込むことが重要な基準となる場合があります。すべてのAI推論問題で、最大限のスループットが求められるわけではありません。リコンフィギュレーションにより、DNA IPは、EdgeCortix SAKURA-I のようなエッジAI専用のチップに搭載されたり、サードパーティのFPGAベースのアクセラレータにビットストリームとして組み込むことで、各々のデバイスの重要な課題に見合ったレベルでAI推論処理を実行します。

  • ロボティクス、ドローン、および多くの防衛アプリケーションでは、サイズの最小化、バッテリー寿命の維持、および冷却システムの回避が共通のテーマです。
  • 自動車、スマートシティ、スマート製造などのより複雑なアプリケーションは、時に性能ニーズやAIモデルが未知の状態から始まります。モデルの変更は、処理が柔軟でない場合、ハードウェアの再設計が要求される可能性があります。
  • リアルタイム処理では、判断を維持し、アプリケーションを制御し続けるために、低レイテンシと予測可能な実行ウィンドウが要求されます。

EdgeCortix DNA IP advantages for edge AI chips

GPUは強力なAI推論性能を特徴としていますが、効率性を犠牲にしており、3040%しかそのリソースを活用していません。しかし、DNA IPは、ランタイムで再構成するツールを使用することで、あらゆるスケールにおいて80%以上の使用効率のままパフォーマンスの増減を実現します。DNA IPのパワーマネージメント機能により、設計者は不要な時のエネルギーを節約することができます。PyTorchTensorFlowONNXなどの業界をリードするフレームワークを使ってワークステーションやサーバーで開発したモデルは、DNA IPが搭載されたエッジデバイスで簡単に実行が可能です。設計者は、ハードウェアIPレベルでの面倒な性能最適化作業から解放され、エッジデバイスを成功させるための基準を満たすことに全集中することができます。

エッジAIチップやFPGAベースのアクセラレータの設計にフィットするDNA IP

MERAがランタイム構成の詳細を管理する一方で、設計者はDNA IPをアプリケーションに適したサイズにする方法を勘案します。ユーザーがDNA IPのライセンスを取得し、独自の用途に合わせたエッジAIチップを作成する際に必要な柔軟性を提供できるのが大きな特徴です。

  • 標準的な計算エンジンでは、NxN要素に拡張可能なデータフローアレイを使用しています。また、3Dカーネルを2D処理にスライスするための深度別計算エンジンも用意されています。さらに、ベクトル処理ユニットが、スケーリングやニューラルネットワークの活性化などのタスクを処理します。
  • インターコネクトは、ネットワークオンチップ(NoC)を用いて再構成可能で、潜在的なボトルネックを取り除き、トランジット遅延を最小限に抑えることでレイテンシーを低く保つことができます。
  • 300MHzから2GHzまでテストされた高度にコンフィギュレーション可能な標準クロックは、小型マイクロプロセッサやハイエンドの SoC デザインへの実装を可能にし、1つのコアで0.6TOPSから50TOPS以上の性能を発揮します。DNA IPコアは、チップ内の他のIPブロックとのインターフェイスにAXIを使用し、マルチチップのスケーラビリティのためにPCIe経由で接続することができます。

EdgeCortix Dynamic Neural Accelerator IP is run-time reconfigurable with high efficiency, low latency, and high utilization

全ての設計チームが、SoC設計をゼロから実行するための専門知識や時間を持っているわけではありません。 SAKURA-I は、DNA IPを内蔵したEdgeCortixの既製エッジAIチップで、ボードやシステム設計にすぐに対応できます。10Wの総消費電力プロファイルで最大40TOPSを実現し、多くのアプリケーションで5W程度の消費電力で使用可能です。EdgeCortixは、SAKURAをフルレングス、フルハイトのPCIe x16カードとロープロファイルのバージョンで提供しています。また、OEMボードに組み込むためのスタンドアロン部品としても利用可能です。

エッジAIは非常に細分化された市場であり、柔軟なソリューションが求められています。DNA IPのもう一つの使用例は、より高い柔軟性をターゲットとするFPGAベースのアクセラレーションカードで、GPUカードに取って代わり、しばしばサーバーを統合する機会を提供し、アプリケーションをデータセンターからエッジに移行させるのに役立ちます。EdgeCortix / BittWare / Intelの推論パックは、DNA IPを高性能なIntel® Agilex™ FPGAを搭載したBittWare IA-840FおよびIA-420Fカード用のすぐに使えるビットストリームとしてお届けします。

シリコンで実証されたDNA IPが、より幅広いユースケースをサポート

DNA IPとMERAの強力なコンビネーションで、ユーザーがAIアプリケーションを効率的に動かすために必要となるハードウェア固有の知識を減らすことができます。完全にカスタムメイドのSoCやマイクロプロセッサーが必要な場合は、半導体設計の専門知識を持つチームがDNA IPを利用して、独自のソリューションを構築することができます。推論パックは、GPUベースのカードに代わる、より多くの推論密度とアプリケーション開発者のためのスムーズなソフトウェア移行を実現するドロップインの代替品となります。

SAKURAは、ボードやシステムの設計者がすぐに使えるエッジAIチップとなります。SAKURA-Iは、同等のNVIDIA® Jetson AGX Orin™の実装よりも優れた性能/ワットを実現し、AGX Orin30W構成に比べてYolo-V5の結果が10倍向上しています。近日中にリリースされるSAKURAの新バージョンでは、性能/ワット数のリードをさらに広げる予定です。

EdgeCortix-SAKURA-vs-Edge-GPU-Inferences-Per-Seconds-Watt-NVIDIA-GPUs-Web

EdgeCortix DNAプロセッサの全てのユースケースの中心に「効率性」があります。その背後にあるのはランタイムで再構成可能というエッジAIチップの協調設計の戦略です。エッジAI処理の幅広いニーズに対して一つの実績があるIPをベースラインとして用いることで、市場投入までの時間とリスクを低減することが可能になります。

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